ご挨拶

平成28年 4月
大学院総合化学院長  大熊 毅

Ohkuma

 「化学」は原子・分子のレベルで現象を解明する基盤研究をはじめ、医薬、プラスチック、セラミックス、発光材料等、わたしたちの暮らしに欠かせない機能性物質を創製する展開研究をも包含する幅広い学問分野です。さらに最近では、環境・エネルギー問題の解決や、生命・健康に関わる領域でも重要性を増しており、(未来)社会にこれまで以上の貢献が期待されています。こうした社会的要請を受け、本学では平成22年度に工学系と理学系の化学が融合した大学院として「総合化学院」を全国に先駆けて設立しました。

 総合化学院は、その名の示すとおり、化学における学理から実用展開を指向した知識・技術の修得まで、世界に誇る総合的な教育カリキュラムを整えています。すなわち、総合化学専攻(1専攻体制)の中に「分子化学」、「物質化学」、「生物化学」の3コースをおき、現代化学の柱となる以下の3つの分野を網羅した教育を推進しています。

  • 分子レベルでの反応の制御と解析、反応を効率的に実現する触媒開発と、それを巧みに利用した化学プロセス開発に至る一連の反応開発とプロセス設計
  • 分子や原子を階層的に組み上げることにより新たな新機能を示す有機高分子、無機材料、金属材料、ナノ材料等と、その複合材料の創製
  • 細胞と生物自体の構造・機能の化学的な解析に基づいた生体システムの人工的制御と生体の各種機能を発現する医学・医療関連材料の設計

 このカリキュラム実施のため、総合化学院には、北海道大学大学院工学研究院、大学院理学研究院、触媒科学研究所、電子科学研究所、遺伝子病制御研究所に所属する教員および、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所、理化学研究所、国立循環器病研究センターに所属する研究者が連携講座教員として参画しており、その教育組織の多彩さも本学院が誇る特徴です。

 また、総合化学院では、社会から強く要望されている「グローバル人材(世界的に活躍する人材)」の育成に向け、本学または海外連携大学で海外の学生と共に英語講義を受講する「サマー・インスティテュート」や「ラーニング・サテライト」等のプログラムをフロンティア化学教育研究センター等の協力を得て積極的に推進しています。博士課程においては、外国人留学生と日本人学生を対象とした英語教育コース「国際先端物質科学大学院」を設置し、教育の国際化に貢献しています。

 総合化学院は、本学の掲げる「フロンティア精神」、「全人教育」、「国際性の涵養」および「実学の重視」に基づいた教育理念のもと、化学および関連する広範な学問領域において次代を担うフロントランナーの育成に向けて邁進して参ります。ご指導、ご鞭撻賜われれば幸いです。